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タイの柔道

柔道の試合ルール、日本とタイではどこが違うのか 日本で試合をする前に知っておきたいこと

タイはIJFルール、日本も国際大会では同じですが、国内で用いる規則には有効が残ります。本当に違う点、同じ点、そして申し込み前に確かめることをまとめました。

短い答え

タイの柔道の試合は国際柔道連盟(IJF)のルールに従っており、そこでは2017年に有効が廃止され、一本と技ありだけが残りました。日本も国際大会では同じIJFルールを用いますが、国内で適用される規則には有効が残っており、大会によっては講道館の規程に沿うものもあります。ですから渡航前に確かめるべきは、日本とタイが違うかどうかではなく、出場する大会がどの規則を用いているかです。

著者
黄炳明
公開
最終更新
情報源
4

要点まとめ

  • IJFは2017年に有効を廃止したが、日本国内で用いられる規則では今も数えられている。
  • 抑え込みの時間と指導の回数は双方同じで、実際に違うのは有効と脚取りである。
  • 2025年から全日本選手権では、先に相手の上衣を掴んでいれば脚取りが認められる。
  • 日本では2022年4月1日から、安全上の理由で中学生年代の絞め技が禁止された。
試合で相手を投げる柔道選手。背後に日本国旗とタイ国旗が掲げられている
同じ畳でも、勝敗を決める規則が同じとは限りません

IMAC Dojoで保護者や選手からよく受ける質問が、日本の柔道のルールは、タイで慣れ親しんだものとどこが違うのか、というものです。とりわけ本場での大会出場を決める前にこれを尋ねられます。

はじめにはっきりさせておきますが、私は柔道の指導者ではありません。私自身が黒帯を持ち、自ら教えているのは新極真会空手です。柔道における私の役割は、生徒を試合に送り出し、指導陣を支える創設者としてのものです。IMAC Dojoの柔道を指導しているのは黄烈彬、黄烈照、黄烈崇、黄秀文の四名で、タイ国内および海外での実際の試合経験は合わせて20年を超えます。以下に書くことは、この四名が現場で出会ってきたことと、数字がすべて確認できるよう規則の出典を改めて読み直した結果に基づいています。

この記事の目次

なぜこれがタイの選手にとって重要なのか

日本で試合に出るというと国を変えるだけのことに聞こえますが、実際には規則を変えることでもあり得ます。日本は一つの規則だけを用いているわけではないからです。ですから準備は、稽古量を増やすことより先に、その大会が誰の規程で行われるのかを問うところから始まります。

当道場の柔道指導者四名の段位はタイ柔道協会によるもので、黄烈彬と黄烈照が二段、黄烈崇と黄秀文が初段、うち黄烈崇は日本の講道館からも別途認定を受けています。稽古の内容と指導陣については IMAC Dojo の柔道コース をご覧ください。

有効こそが最大の相違点

2017年、IJFは東京オリンピックに向けて大きな改正を行いました。有効を廃止して一本と技ありのみとし、技ありに必要な抑え込みの時間を15秒から10秒へ短縮し、反則負けとなる指導の回数を四回から三回に減らし、試合時間を男女とも四分に統一しました。

ところが 全日本柔道連盟自身のルールのページ を開くと、国内で用いられる採点には有効が残っています。相手を横、肩、あるいは尻から倒した投げに与えられ、また抑え込みが5秒以上10秒未満続いた場合にも与えられます。短い抑え込みがある大会では点になり、別の大会ではならない、という戸惑いはここから来ます。

強調しておきたいのは、一本と技ありに必要な抑え込みの時間は双方まったく同じで、20秒、および10秒以上20秒未満だという点です。違いは三つ目の段階の得点があるかどうかだけです。二つの体系で抑え込みの時間が異なると書かれた記事を読んだ方は、出典に当たり直すことをお勧めします。この誤りはタイ語のネット上の記事にかなり広く見られます。

脚取りは禁止か否か、大会による

IJFは2010年から脚取りの制限を始め、2013年に全面禁止としました。柔道がレスリングとは異なるものに見えるようにという理由です。一方、この武道の発祥の場である 講道館 は、この系統の技を自らの体系から外したことは一度もなく、相手の重心を崩す古くからの方法として扱っています。

興味深い転換が起きたのは2025年です。全日本選手権が脚取りを再び認めると発表しました。決めたのは大会の実行委員会で、講道館もその一員です。条件は、先に相手の上衣を掴んでいることで、そのうえで帯より下に触れられます。上衣を掴むのと脚を掴むのがほぼ同時であれば、なお指導となります。これはその大会に固有の規則であり、国際的なものではありません。

併せて知っておきたいのは、国際柔道連盟 が2028年ロサンゼルスオリンピックに向けて脚取りの解禁へ進んでいたものの、方針を転換して見送ったことです。つまり現在、双方は逆の方向へ進んでいます。日本は自国の選手権で扉を開き、国際の舞台では閉じたままです。

確認できる項目だけに絞った比較表

この表は意図して短くしてあり、どの欄も出典まで辿れます。出所の分からない数字で長くするよりよいと考えました。両側で同じ欄がいくつもありますが、それ自体が役に立つ答えです。

項目タイが用いるIJFルール日本国内で用いられる規則
有効の得点2017年に廃止今も数える
一本となる抑え込み20秒20秒
技ありとなる抑え込み10秒以上20秒未満10秒以上20秒未満
有効となる抑え込みこの得点はない5秒以上10秒未満
反則負けとなる指導3回3回
脚取り禁止全国選手権では2025年から、上衣を掴んだうえで可

日本の少年規程と、絞め技を禁じる理由

2022年1月24日、全日本柔道連盟は少年大会特別規程の改正を決議し、2022年4月1日から中学生年代の絞め技を全面的に禁止しました。この規程が見直されたのは四十五年ぶりのことです。理由は、この年代の選手が全国規模の大会においてさえ絞め技で意識を失う例が見られたことでした。小学生年代については、絞め技も関節技もすでに禁止されています。

日本の少年層をめぐる改革は技の制限にとどまらず、全国小学生大会そのものの廃止にまで及びました。その件については 日本における柔道と柔術 に書いています。迷っておられる保護者の方には、こうした知らせは警告ではなく良い兆しとして読んでいただきたいと思います。この武道が生まれた国が、子どもに危険があると分かったときに自国の制度を変える用意があった、ということだからです。

礼法は、審判が実際に見ている作法

IJFの審判規定では、立礼は腰のところで約三十度と定められています。全日本柔道連盟の礼法のページ では、約三十度の敬礼と約四十五度の拝礼が区別され、左座右起、すなわち左から座り右から立つという作法が説明されています。

勝った後に喜ぶことについては、正確に述べておきたいと思います。これは審判やこの世界の先達が実際に見ている作法の問題であって、その場で勝ちを取り消すと書かれた条文があるわけではありません。敗れた相手の前で拳を突き上げたり跳びはねたりしても、それだけで試合に負けるわけではありませんが、この武道が拠って立つ自他共栄に反し、選手が何の得もなく敬意を失うことになります。

ここまで読んでお子さんに柔道をと考えておられるなら、IMAC Dojoの柔道クラスは8歳以上を受け入れており、必ず受け身、すなわち安全な倒れ方から始めます。受け身については 受け身とは何か に、この武道の成り立ちについては 柔道とは何か に詳しく書いています。

IMAC Dojo(Ladprao 101)の柔道コースを見る

参考資料・関連情報

  1. 柔道のルールと採点All Japan Judo Federation参考2026/09/05 閲覧
  2. 柔道の礼法All Japan Judo Federation参考2026/09/05 閲覧
  3. 国際柔道連盟International Judo Federation参考2026/09/05 閲覧
  4. 講道館Kodokan Judo Institute参考2026/09/05 閲覧

よくある質問

講道館の柔道ルールはIJFとどう違いますか?

最もはっきりした違いは有効の得点と脚取りです。有効はIJFが2017年に廃止しましたが、日本国内で用いられる規則では今も数えられています。脚取りはIJFが禁じていますが、講道館は体系から外していません。一本と技ありに必要な抑え込みの時間は双方同じです。

日本で柔道の試合に出る前に何を確認すべきですか?

まずその大会がどの規則を用いているかを確認してください。有効を数えるか、脚取りが認められるか、という二点に直接関わるからです。そのうえで階級、試合時間、その大会独自の服装規定を確かめます。

タイと日本の柔道はまったく同じルールですか?

すべてではありません。タイはIJFルールに従います。日本も国際大会では同じ規則を用いますが、国内で適用される規則には有効が残り、大会によっては講道館の規程に沿います。

子どもが柔道を始めるにはどうすればよいですか?

投げ技より先に、受け身、すなわち安全な倒れ方から始めてください。急いで試合に出る必要はありません。IMAC Dojoの柔道クラスは8歳以上を受け入れており、指示を理解できるか、身体を制御できるかという準備の度合いも合わせて見ています。

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